信じること、生きること~人間の弱さを見つめて Ⅱ
「東北の声—予期せぬ死に寄り添う」
山川徹×島薗進
2011年に発生した東日本大震災。12年後の2023年に発表された死者行方不明者は2万2215人にのぼります。そして、このうち3789名が「災害関連死」による死者だと発表されています。
災害関連死とは、家屋の倒壊や火事、津波、放射線被ばくなどによる「直接死」ではなく、一度助かった方がその後の生活の悪化により亡くなってしまうこと。生活の悪化とは、避難所でのエコノミークラス症候群、病院の転院による持病の重症化、金銭面など暮らしの変化にともなううつなどです。
今、この関連死をなくすために奮闘している人がいます。医療や福祉、国や自治体などの適切な支援さえあれば、命を守れる可能性がある。弁護士や医師、ご遺族などが連携して情報を共有し、来る次の災害に対策を練っています。
災害関連死とはいったいどういうものなのか? 対策の現状はどのようになっているのか。防ごうとしている方たちの思いとは――。
10年以上にわたって関連死を取材し、『最期の声 ドキュメント災害関連死』(KADOKAWA)を刊行したノンフィクションライターの山川徹さんをお迎えし、震災と復興の裏にある人々の悲しみによりそってきた東京自由大学学長・島薗進先生とのお二人による対談講座です。
山川徹 Yamakawa Toru
1977年、山形県生まれ。ノンフィクションライター。東北学院大学法学部法律学科卒業後、國學院大學二部文学部史学科に編入。在学中より『別冊東北学』(東北芸術工科大学東北文化研究センター)の編集に携わる。『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』で第30回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。おもな著書に『最期の声 ドキュメント災害関連死』、『捕るか護るか? クジラの問題 いまなお続く捕鯨の現場へ』、『東北魂 ぼくの震災救援取材日記』、『カルピスをつくった男 三島海雲』、『地図で見る日本の地震』(寒川旭監修)などがある。
島薗進 Shimazono Susumu
宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。
概要
日程 2023年7月16日(日)
時間 14:00~16:30
会場 大正大学4号館421教室
一般:2000円
会員:1500円
学生:1000円
会員学生:500円
※対面講座になります。オンラインでの配信はございません。
※この講座は終了いたしました
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