NPO法人東京自由大学 設立25周年企画

【宗教を考える学校 第2弾】

 

第4回「日本の宗教―神仏習合と天河大辨財天社

柿坂神酒之祐×鎌田東二×島薗進

 

《鎌田東二さんより》

天河大辨財天社に最初に参拝したのは1984年4月4日のことだった。

それから、300回以上は天河を訪れた。そして、そこに「神道」の根源と未来を見た。

その「神道」の根源と未来を、今の柿坂神酒之祐大宮司(おおぐうじ)の言葉と声で語ってほしい。

そう思って、企画した。

1996年の「宗教を考える学校」第1弾にも、柿坂神酒之祐宮司(当時)に来てもらって発題していただいた。

その時のタイトルは、「超宗教と神道と天河の精神―宗教意識は変化しているか?」であった。

その10年前の1986年秋、柿坂神酒之祐宮司監修の『天河』(扶桑社、1986年10月刊)が出た。

その中に、大祓詞の中の「祓へたまへ、清めたまへ」が次のように口語訳にされていた。

「君の精神が自由でありますように。君の知性が透明でありますように。」

その後、柿坂神酒之祐宮司は、社殿建て替えの「玉鎮めの神事」の際の祝詞奏上の中で、「神社は宇宙ステーションなり」と宣言した。

それらの「神道語」の中に、わたしは神道の未来を、宗教の未来を視た。

 

 

《柿坂神酒之祐大宮司より》

有り余れるものを与え

足りたらないものを頂戴していける

循環していける世の中に移り変わる事を目指す。

それは平和につながる。

 

今は孤立していることが多いが

人と人との出会いから、むすび(産み出す)のはたらきへ。

 

自分も他者も自由になっていく事が必要。


主催:NPO法人東京自由大学 

協力:一般社団法人日本信仰復興会議

収録日:2023年11月25(土)


柿坂神酒之祐 Kakisaka Mikinosuke

昭和12年生まれ。奈良県吉野郡天川村の天河神社(天河大辨財天社)神主の家系の家に7人兄弟の末っ子として誕生。

若い頃には、南米アマゾンや世界中を旅して様々な祈りの儀式などを体験。その後さまざまな仕事を経験する中、天河神社掃除人となる。1966年大峯本宮天河大辨財天社第65代宮司に就任。2022年名誉宮司に就任し現在に至る。

鎌田東二 Kamata Toji

宗教哲学・民俗学/京都大学名誉教授、天理大学客員教授。1951年徳島県阿南市桑野町生れ。國學院大學文学部哲学科卒業。同大学大学院博士課程単位取得中途退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻博士課程単位中途退学。宗教哲学・民俗学・比較文明学・ケア学専攻。博士(文学・筑波大学)。京都大学名誉教授。天理大学客員教授。石笛・横笛・法螺貝奏者。フリーランス神主・神道ソングライター・吟遊詩人。著作に『神界のフィールドワーク』『翁童論』四部作、『宗教と霊性』『呪殺・魔境論』『神と仏の出逢う国』『現代神道論』『世直しの思想』『世阿弥』『言霊の思想』、サードアルバム『絶体絶命』など。

島薗進 Shimazono Susumu

宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。


概要

時間  2時間59分

価格  2,500円(税込)