身体と霊性Ⅴ 第1回

 

「妖怪とジェンダー 狙われた身体

小松和彦×安井眞奈美

姑獲鳥(うぶめ)、雪女といった妖怪は、女性が想定されています。また、「キツネの妖怪は女性っぽい」「狸の妖怪は男性だ」など、妖怪とジェンダーが結びついて認識されている例は数多く存在します。それらの背後には、時代のもっているジェンダー意識が見え隠れしています。とりわけ女性の身体は妖怪に狙われる対象とみなされ、蛇の侵入をめぐる伝承が各地に蓄積されています。また、身体に「不思議な現象」が生じたときの説明と対処の方法として、妖怪に「狙われた身体」を想定する伝承も蓄積されてきました。本講座では、それらの伝承の背後に存在する世界観に迫ります。


小松和彦 Komatsu Kazuhiko

文化人類学者、民俗学者。国際日本文化研究センター名誉教授・前所長。1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。信州大学助教授、大阪大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、2012年より現職。妖怪、シャーマニズム、民間信仰、口承文芸などを幅広く研究。16年、文化功労者。著書に『神々の精神史』、『憑霊信仰論:妖怪研究への試み』、『異人論:民俗社会の心性』、『悪霊論:異界からのメッセージ』、『日本妖怪異聞録』、『百鬼夜行絵巻の謎』、『いざなぎ流の研究』、『妖怪学新考:妖怪からみる日本人の心』、『異界と日本人:絵物語の想像力』、『妖怪文化入門』、『鬼と日本人』など。

安井眞奈美 Yasui Manami

文化人類学者、民俗学者。国際日本文化研究センター研究部教授。京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。妊娠、出産に関する習俗・人間関係・医療の変遷や、身体イメージの図像化について、民間信仰や医学、美術などの分野から研究。著書に『出産環境の民俗学――<第三次お産革命>にむけて』、『怪異と身体の民俗学――異界から出産と子育てを問い直す』、『狙われた身体――病いと妖怪とジェンダー』、編著に『グリーフケアを身近に――大切な子どもを失った哀しみを抱いて』、共編に『身体の大衆文化――描く・着る・歌う』、『妖怪文化研究の新時代』など。


概要

日程  2022年7月9日(土)

時間  14:00~16:30

オンライン配信(見逃し配信あり)】

受講料 一般:2500円

    会員:2000円

    学生:1500円

    学生会員:1000円
(見逃し配信はオンライン参加のお申し込みをされた方全員に対し、講座終了後から数日内に、YouTubeの限定公開のリンクをお送りいたします)


お申し込み
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