島薗進ゼミ
「折口信夫の宗教思想――新たな地平を求めて」(全3回)
折口信夫は詩人・歌人・作家・国文学者・民俗学者・芸能史家・神道学者・宗教思想家・批評家といくつもの顔をもっている。それぞれの分野でその仕事の意義を適切に評価するだけでもかんたんではない。私の視点は宗教思想家としての折口信夫ということになるだろう。ここに軸を置くと、折口の人物と仕事の全体像を描きやすいのではないかという直観がある。修士論文でそのような折口論の緒を探ったつもりだが、それから50年近くが経ってしまった。だが、今もその魅力は後退していない。私にとってもそうだが、広く日本の学問や思想にとってもそうだと言いたい。このゼミでは折口がその実存をかけて求めたものに少しでも近づいていきたいと思う。(島薗進)
島薗進 Shimazono Susumu
宗教学者。1948年、東京生まれ。1977年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学文学部宗教学宗教史学科教授、同大学院人文社会系研究科教授を経て、現在、上智大学大学院実践宗教学研究科研究科長・特任教授、同グリーフケア研究所所長、同モニュメンタニポニカ所長。著書に『現代救済宗教論』『〈癒す知〉の系譜:科学と宗教のはざま』『スピリチュアリティの興隆:新霊性文化とその周辺』『国家神道と日本人』『日本仏教の社会倫理』『宗教学の名著30』『日本人の死生観を読む』『つくられた放射線「安全」論』『精神世界のゆくえ』『いのちを“つくって”もいいですか』など。
Link
Search
ALL RIGHT RESERVED. TOKYO JIYUDAIGAKU.