島薗進ゼミ
「宮沢賢治と仏教」(全3回)
詩人としても物語作家としても多くの人々に愛されてきた宮沢賢治だが、その根底に法華仏教の信仰があることはよく知られている。国柱会に属していたのは確かだが、田中智学の影響を見て取ることは難しい。独自の世界観、人間観、死生観を築いていたことがうかがわれる。では、その信仰の内実はどのようなものだったのか。なぜ、これほど多くの人々の心をとらえてきたのか。詩と物語作品を通して考えていきたい。すでに多くの先人たちによる考察が積み上げられてきているが、作品の読みに即して私なりの捉え方を提示してみたい。(島薗進)
第1回 賢治と修羅の自覚
賢治の詩と物語には、心の闇が濃密に語られているものがある。「修羅」や「慢」など、その手がかりになる言葉がある。その暗さは何を表しているのか。詩集『春と修羅』、童話「よだかの星」、「貝の火」、より仏教色が濃厚に出ている「ひかりの素足」などにそれをうかがう手がかりがある。
第2回 賢治と不殺生戒
賢治は「戒」にこだわりを持っていた。わかりやすいのはベジタリアンであったこと。生涯、独身であったことも関わりがあるかもしれない。「ビジテリアン大祭」、「注文の多い料理店」などからは、肉食と不殺生戒を結びつけて考えていたことがうかがわれる。なぜ「戒」が重要だったのか。
第3回 賢治と菩薩道
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉は賢治の『農民芸術概論綱要』の一節だが、「菩薩の誓願」を思わせる言葉だ。「グスコーブドリの伝記」や「銀河鉄道の夜」のような犠牲や代受苦への強い関心や、「雨ニモマケズ」に見られる常不軽菩薩へのこだわりの意味を探りたい。
島薗進 Shimazono Susumu
宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。
概要
日程 第1回:2026年1月24日(土)
14:00~16:00
第2回:2026年2月21日(土)
14:00~16:00
第3回:2026年3月21日(土)
14:00~16:00
【オンライン参加(見逃し配信あり)】
受講料(各回)
一般:2000円
会員:1500円
学生:1000円
学生会員:500円
※見逃し配信はオンライン参加のお申し込みをされた方全員に対し、講座終了後から数日内に、YouTubeの限定公開のリンクをお送りいたします。
※キャンセルは、講座3日前の1月21日(水)14:00まで受け付けます。それ以降のキャンセルはお受けできませんので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
お申し込み
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