『渦巻の芸術人類学:死と再生のスパイラル』刊行記念
 

仏教本格講座
第1回「
渦巻と仏教:ユーロ=アジアの<死からの再生>思想と芸術

釈徹宗×鶴岡真弓

コメンテーター:島薗進

 

ヨーロッパの古層「ケルト文化」の伝統では、「死者によって生者が鼓舞される」あるいは「過去が現在という未来に帰還し、時や存在が新生する」という思想が、暦の万霊節(お盆かつ大晦日:ハロウィンの起源)や、古代ドルイドの輪廻の思想などから知られており、それは渦巻的・螺旋的な死生観としてケルトの文様芸術にも表現されてきました。

 

一方、漢字文化圏では、「渦」の字形の右部分(つくり)は、水や火のの渦の描写ではなく、「死者の丸く陥没した骨」の象形を元にしており、渦・循環・スパイラルのエネルギーは、生者よりも死者たちによってもたらされるという思想を反映していると推測されます。

 

今回は仏教思想とケルト芸術/思想を比較、横断しつつ、ユーロ=アジア世界の東西の「生命循環」が、過ぎ去ったと思われた「死者」や「過去(の時間)」によってむしろ反転し活性化されるという、思惟の普遍性について探究します。みなさまのご参加をお待ちしています。 (筆:鶴岡真弓)


釈徹宗 Syaku Tessyu

相愛学園長。武蔵野大学総長。宗教学者。日本宗教学会常務理事。浄土真宗本願寺派如来寺住職。NPO法人リライフ代表。宗教思想や宗教文化の領域において、比較研究や学際研究を行っている。

論文「不干斎ハビアン論」で涙骨賞(第五回)、著書『落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する』で河合隼雄学芸賞(第五回)、また仏教伝道文化・沼田奨励賞(第五十一回)を受賞している。

近著に『喜怒哀楽のお経を読む』(朝日選書)、『住職さんは聞き上手』(晶文社)など。

鶴岡真弓 Tsuruoka Mayumi

芸術文明史家。多摩美術大学名誉教授。ケルト芸術文化史・ユーロ=アジア生命表象研究。1952生、早大大学院修了。アイルランド・ダブリン大学留学。

◆主書『ケルト/装飾的思考』『ケルト再生の思想:ハロウィンからの生命循環』『芸術人類学講義(編)』(筑摩書房)『装飾する魂』『ジョイスとケルト世界』『京都異国遺産』(平凡社)『ケルトの想像力』(青土社)『阿修羅のジュエリー』(イーストプレス) ◆訳書『ケルトの神話伝説』(創元社)『ケルトの賢者ドルイド』(講談社)『ケルズの書』(岩波書店&創元社) ◆監修『ケルト事典』『ケルト人』『ケルト文明とローマ帝国』等多数 ◆映画『地球交響曲第一番』で歌姫エンヤと共演

島薗進 Shimazono Susumu

宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。



概要

日程  2025年10月19日(日)

時間  14:00~16:30(開場13:30)

受講料 一般:2500円+護摩木代1000円

      会員:2000円+護摩木代1000円

    学生:1500円+護摩木代1000円

    会員学生:1000円+護摩木代1000円

会場  目黒不動尊・書院(東京都目黒区下目黒3-20-26)

※本講座は、対面講座です。オンラインでのライブ配信はございません。


お申し込み

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