書物と知 Ⅲ
第2回:「もうひとつのアメリカ――メカス、カフカ、エミリーのこと」
吉増剛造
「わたくしたちにとってのアメリカ」これは、おそらく、ほとんど、……語ること 難 し、……。しかし、 傍 らの、無言の、…… 栗鼠 や 覇王樹 が語り掛けているらしい、 未聞 のアルファベットや、エミリー、メカス、カフカ等の心に聞くようにすることは、おそらく叶う。小生の伴侶or道行の 親友 でもある Marilya さんの歌声あるいは告白、……を通じて、「アメリカ」を語ってみることの、はじめての試みなのです……。とうとう、その日が……。
吉増剛造 Yoshimasu Gozo
詩人。1939年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中から詩作活動を行い、1964年、処女詩集『出発』を刊行。以降、日本を代表する先鋭的な詩人の一人として活動を展開してきた。2013年、旭日小綬章受章、文化功労者、15年、日本芸術院賞、恩賜賞受賞。16年には東京国立近代美術館にて個展を開催。詩集に『黄金詩篇』(高見順賞)、『オシリス、石ノ神』(現代詩花椿賞)、『螺旋歌』(詩歌文学館賞)、『表紙』(毎日芸術賞)ほか多数。著書に『ドルチェ 優しく:映像と言語、新たな出会い』(A・ソクーロフ、島尾ミホとの共著)、『「アジア」の渚で:日韓詩人の対話』(高銀との共著)、『アーキペラゴ:群島としての世界へ』(今福龍太との共著)、『我が詩的自伝:素手で焔をつかみとれ!』など。