NPO法人東京自由大学 設立25周年企画

【宗教を考える学校 第2弾】

 

第5回「宗教とケア―大いなるもの“超越者”との関係

高木慶子×鎌田東二×島薗進

 

現代人は、五体に触れ、自分自身で納得できる科学的な事柄でないと、信じられない傾向にある。これが現代のAIを代表とする時代背景ではないかと考える。そこには宗教的な事柄は排斥され、科学万能の特徴がみられる。しかし、全人間を理解し、そのすべての癒しを考える時、ただAIにのみ頼ることは難しい。人間は神秘的な存在であり、それを理解するためにも神秘的な感性も必要となる。つまり、五感の世界から次元の違う宗教的な次元への感性と知性が必要となり、ただ単に科学的な情報量だけでは人間理解もできないだろう。(高木慶子)

主催:NPO法人東京自由大学
協力:一般社団法人日本信仰復興会議

収録日:2023年12月23日(土)


高木慶子 Takagi Yoshiko

聖心女子大学文学部心理学科卒業。上智大学神学部修士課程修了。博士(宗教文化)。現在、上智大学グリーフケア研究所名誉所長。「生と死を考える会全国協議会」会長。国土交通省「公共交通における事故被害者などへの支援の在り方検討会」委員。国土交通省「被害者へのアドバイザー」。主な研究テーマ「スピリチュアルケアとグリーフケア」。この36年間にわたり、ターミナルケアとグリーフケアに携わっている。著書『グリーフケア・スピリチュアルケアに携わる人達へ」(クリエイツかもがわ)『悲しんでいい』(NHK出版新書)など、多数。

鎌田東二 Kamata Toji

宗教哲学・民俗学/京都大学名誉教授、天理大学客員教授。1951年徳島県阿南市桑野町生れ。國學院大學文学部哲学科卒業。同大学大学院博士課程単位取得中途退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻博士課程単位中途退学。宗教哲学・民俗学・比較文明学・ケア学専攻。博士(文学・筑波大学)。京都大学名誉教授。天理大学客員教授。石笛・横笛・法螺貝奏者。フリーランス神主・神道ソングライター・吟遊詩人。著作に『神界のフィールドワーク』『翁童論』四部作、『宗教と霊性』『呪殺・魔境論』『神と仏の出逢う国』『現代神道論』『世直しの思想』『世阿弥』『言霊の思想』、サードアルバム『絶体絶命』など。

島薗進 Shimazono Susumu

宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。


概要

時間  2時間59分

価格  2,500円(税込)