シリーズ講座 医療と死生学Ⅰ
第1回「医療と死生学の交差点で、自分の生き方を見つめ直す時間」
永井良三×島薗進
東京自由大学は、「自分自身を知る」ための開かれた学びの場として、多様な分野の知をつなぎ、創造的な対話を重ねてきました。今回、医療分野にウイングを広げ、特別講座シリーズ「医療と死生学」を開講します。高齢化と多死社会を迎えた現代の医療現場では、患者やその家族らとともに医療者自身も「死」や「生の意味」に直面する機会が増えています。科学的医学が到達した地点をふまえつつ、医療者たちは改めて「人間にとって生きること・死ぬこととは何か」を問わざるを得ません。この講座は、医学や医療関係諸分野と死生学の対話を通じて、臨床現場に生きる医療者が自らの死生観を深め、医療の本質的な意味を再考する契機となることを目指します。東京自由大学の理念――自由な探求と創造の喜び、宗派や学問の壁を超えた対話、友愛の共同体――を背景に、参加者同士が互いに語り合い、学び合う場となるでしょう。
プログラム
14時〜15時:
講義(永井 良三 先生/自治医科大学学長・東京大学名誉教授)
臨床医学の歴史からAI時代の医療まで、広い視座で「死生観と臨床医の自己理解」を考える。
15時〜16時:
対談(永井先生 × 島薗 進 先生/東京自由大学学長・東京大学名誉教授)
医療と死生学の境界を越え、臨床現場での「死」との向き合い方を語る。
16時〜16時30分:
質疑応答・対話の時間
少人数ならではの双方向のやりとりを通じて、それぞれの死生観を問い直す機会とする。
永井良三 Nagai Ryozo
自治医科大学学長、東京大学名誉教授、宮内庁皇室医務主管。東京大学医学部医学科卒業(医学博士)。東京大学医学部附属病院内科研修医、第三内科医員、講師、助教授、群馬大学医学部第二内科教授、東京医科歯科大学難治疾患研究所客員教授、東京大学大学院医学系研究科内科学専攻(循環器内科)教授、同大学医学部附属病院病院長、東京大学トランスレーショナルリサーチ機構機構長(兼任)を経て、2012年より現職。専門・研究分野は循環器内科学、臨床循環器病学、血管生物学など。近年は心不全やがんを対象とした治療法開発、医療データベース構築、医療AI開発などに取り組む。紫綬褒章(2009年受章)その他、ヨーロッパ心臓病学会Gold Medalなど受賞多数。厚生労働省医道審議会専門委員、循環器病対策協議会会長、文部科学省今後の医学教育の在り方に関する検討会座長、内閣府健康・医療戦略室参与、内閣府第三期SIPプログラム・ディレクターなど多数を兼務。
島薗進 Shimazono Susumu
宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。
概要
日程 2025年9月20日(土)
時間 14:00~16:30
会場 日本赤十字看護大学 204教室(東京都渋谷区)
対象 医療関係者(医師・看護師)
受講料 無料(事前申込制)
定員 20~30名(先着順)
お申し込み
お申込みの前に必ず受講規約をお読みください。