【こころをめぐる冒険 Ⅱ】

 

第2回「ともに生きる:当事者と支援者(ケア者)の協働について

熊谷晋一郎×森川すいめい

コーディネーター:島薗進

 

何らかの困難を抱える人たちが、「こころ」の理解において当事者として発言・行動することによって新たな力を得ていく過程について、考えて来られたお二人のお話しをうかがい、学んでいきたい。病や障がいによる限界を意識せざるをえない人、弱さによる挫折と苦悩を経験してきた人が、当事者として参加していくことによって、臨床とか支援ということのあり方が、大きく変化しつつあるのではないか。当事者研究とかオープンダイアローグというような方法が、ひとりひとりの生き方を変えていくとともに、社会のあり方をも変えていく可能性を持っているのではないか。そのような方向での研究や実践が、日本で自覚的に追求される過程を担ってきたおふたりともに、こうした現代の臨床、現代の支援、そして現代の当事者運動の意義について考えていきたい。(筆:島薗進)


熊谷晋一郎 Kumagaya Shinichiro

東京大学先端科学技術研究センター教授、東京大学多様性包摂共創センター副センター長、小児科医。日本発達神経科学学会理事、障害学会理事、内閣府障害者政策委員会委員長、日本学術会議会員。新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学小児心臓科での勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て、現職。専門は小児科学、当事者研究。主な著作に、「リハビリの夜」(医学書院、2009年)、「発達障害当事者研究」(共著、医学書院、2008年)、「つながりの作法」(共著、NHK出版、2010 年)、「痛みの哲学」(共著、青土社、2013 年)、「当事者研究」(岩波書店、2020年)、「〈責任〉の生成」(共著、新曜社、2020年)など。

森川 すいめい Morikawa Suimei

精神科医、鍼灸師、オープンダイアローグトレーナー、文芸家、旅人。

ホームレス状態の方を支援するプロジェクトが立ち上げたクリニックで外来や訪問診療を行う。オーブンダイアローグトレーナーとして各地でダイアローグの場をつくる活動もしている。自殺希少地域の旅を通して生きやすさのアイデアも探求。アジアやアフリカなど世界50か国以上を旅した。著書に、その島のひとたちは、ひとの話をきかない(青土社)、感じるオープンダイアローグの(講談社新書)、オーブンダイアローグ私たちはこうしている(医学書院)など。(撮影:鈴木江実子)

島薗進 Shimazono Susumu

宗教学者/東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、大正大学客員教授。1948年生。東京大学大学院博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学大学院実践宗教学研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、東京大学名誉教授、NPO法人東京自由大学学長、上智大学グリーフケア研究所・客員所員、大正大学・客員教授。専門は近代日本宗教史、宗教理論、死生学、生命倫理。著書:『宗教学の名誉30』(ちくま新書、2008年)『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『日本人の死生観を読む』(朝日新聞出版、2012年)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版、2019年)など。


概要

日程  2025年7月5日(土)

時間  14:00~16:30(開場13:30)

受講料 一般:2500円

    会員:2000円

    学生:1500円

    学生会員:500円

会場  緑が丘文化会館203号室

     MAP
※本講座は対面講座です。ライブ配信はございません。ライブ配信・見逃し配信はございません)

※キャンセルは、講座3日前の7月2日(水)14:00まで受け付けます。それ以降のキャンセルはお受けできませんので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。


お申し込み

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